ふるさと納税
「ふるさと納税」とは
「ふるさと納税」とは,都道府県又は市区町村に5000円以上の寄附をすることにより,税金が優遇される制度です。
通常私たちは,住んでいる市区町村に税金を納めます。
納める金額は1年間の収入に応じて決定され,この税金を住民税といいます。
寄附をすると、この住民税が優遇され、税金として支払った金額の一部が戻ってきます。
「ふるさと納税」の対象は?
自由に選択することができます。
住んだことがなくても可能です。
市区町村も対象となりますので、これを機会にさまざまな市区町村がどのようなところで、どんな政策を行っているかを確認することもよいことかと思います。
「ふるさと納税」の手続き
具体的な手続きの流れは次の通りです。
1. まず,自治体(都道府県又は市区町村)に寄附の申出をします。これは電子申請(インターネットによる申込),郵送,Eメール又はFAXによって行うことができます。郵送の場合は電話等での請求,Eメール及びFAXの場合はHPからダウンロードすることにより,用紙を入手することができます。
2. 次に,実際に寄附を行います。寄附の方法は自治体によって異なりますが、現金書留,窓口納付,ペイジー,ネットバンキング,納付書による納付(金融機関等で),クレジットカードなどがあります。
窓口納付は、自治体の窓口だけでなく、東京都や大阪府にある事務所でも行うことができます。
3. 寄附を行った後、自治体から寄附金の領収書が発行されます。
4. その領収書を添付して所得税の確定申告を行います。所得税の確定申告は、同時に住民税の申告を都道府県及び市区町村に行うことができます。
「ふるさと納税」をした場合の節税額
年収700万円で夫婦子供2人の家庭の場合を考えてみます。
この場合,3万円寄附すると2万5000円税金が安くなります。
その内訳は所得税が2500円,住民税が2万2500円(基本控除2500円及びふるさと納税制度による2万円)です。
原則として、寄附した金額から5,000円を引いた金額が戻ってきますが、次の注意点を参照してください。
「ふるさと納税」の注意点
「ふるさと納税」に関する注意点は次の4つです。
? 寄附する金額は5000円以上。
これは事務負担の軽減という目的、安易な制度の利用を抑制し、参加意識を重視する目的もあります。
前述の例では、3万円寄附をして2万5000円の税金が戻ってきます。
言い換えると、最低でも5000円は純然たる寄附となるわけです。
? 控除される住民税の金額に限度がある。
寄附した金額すべてについて優遇されるわけではありません
地域社会の会費という個人住民税の特性から、「ふるさと納税」により戻ってくる住民税の金額は、住民税所得割の金額の10%という限度があります。
前述の例では,住民税額は年間約30万円になりますので,30万円×10%=3万円が限度です。
5万円寄附しても10万円寄附しても「ふるさと納税」に関して戻ってくる金額は変わりません。
ただし、所得税、住民税の基本控除の分がそれぞれ寄附金の10%戻ってきますので、実際に戻ってくる金額は増えます。
では、前述の例で200万円寄附した場合はどうなるのでしょうか?この場合は、200万円の寄附金のうち、約90万円がふるさと納税の対象となります。
寄附金自体に限度額があるからです。この限度は所得(収入から一定の金額を引いたもの)の30%です。
これらを考慮すると、前述の例では、5万円寄附すると、戻ってくる金額は約3万9000円、10万円寄附すると戻ってくる金額は約4万9000円になります。
参考までに年収400万円で単身の場合を考えてみます。
この場合、住民税額は約19万円ですので、限度額は10%の1万9000円になります。
なお、住民税の金額は、毎年6月から前年の所得に応じて金額が改定されます。サラリーマンの方は6月の給料から差し引かれている金額のおおむね12ヶ月分が1年間の住民税の金額となります。その金額を参照してください。
? 税金が戻ってくるということ
この制度に限らず税金が戻ってくるということは、支払う税金がある場合のみです。例えば年収100万円の方は、所得税も住民税も支払わないことになりますので、「ふるさと納税」による優遇の効果はありません。
? 税金が戻ってくる時期。
所得税は,その年分の収入に対する税金ですが,住民税は,その前年分の収入に対する税金です。
前述の例で考えてみます。
平成20年5月20日に3万円を寄附します。
平成20年分の収入について平成21年3月15日までに確定申告を行います。
確定申告を行うと約1ヶ月後(e-Taxの場合には早くなります。)に所得税分の2500円が本人の口座に直接振り込まれます。
平成20年分の収入に対する住民税は,平成21年6月以降に支払うこととなります。
そのため,前述の2万2500円は,その6月以降に支払う住民税から差し引かれることとなります。6月から翌月5月まで、毎月の給与から約1800円(2万2500円÷12)ずつ差し引かれます。
寄附をした時期と戻ってくる時期が異なること,また,所得税と異なり,その金額が直接振り込まれるわけではなく,支払う税金から差し引かれる点に注意してください。
自治体による特徴
特徴としては、支払方法、特典、使い道の選択といったものを挙げることができます。
? 支払方法
支払方法としてクレジットカードで決済することができる自治体もあります。こYahooと提携し、Yahoo!公金支払いというサービスを利用していいます。
平成20年6月5日現在、クレジットカードで寄附をすることができる自治体は、北海道夕張市、新潟県、福井県、長野県、長野県伊那市、和歌山県、鳥取県南部町、山口県山口市、香川県、佐賀県、大分県、宮崎県です。
この中でも福井県は、平成19年12月14日より受付を開始しています。
まず、通常の申し込みと同様に寄附の申し出を行い、その結果、このサイトで決済するという流れです。http://koukin.yahoo.co.jp/donation.html
「ふるさと納税」の主な対象としては、地方で育ち、現在他の地域で生活している方を想定しています。
そのため、支払い方法の整備、特にクレジットカードの決済を取り入れることは重要な要素ではないかと思います。また、同様にホームページによる告知は効果が高いと思われます。
ホームページについて、福島県では中畑清さんをはじめとして出身者の方へのインタビューを動画で掲載しています。
なお、寄附金は都道府県,市区町村それぞれで受け付けることができる点についても鹿児島県は,窓口を県のみに設置し,寄附金の6割を市区町村に分配するとしています。
都道府県と市区町村のどちらに寄附するかというテーマでYAHOO!が行った意識調査では、市区町村が65%、都道府県が10%(「寄附しない」が26%)だったということです。
やはり、「ふるさと」、応援したいとする対象は市区町村のようです。
? 寄附の特典
寄附の特典は、各自治体の特色が現れており、PRもかねて興味深いものが多いです。
北九州市では,5万円以上寄附をすると,「豊前海一粒かき」「合馬(おうま)たけのこ」「小倉牛」、イワシやサバを醤油で煮る名物料理「ぬか炊き」を贈呈するそうです。
一方、奈良県では、金額により特典が変わります。5000円以上5万円未満の場合、大和茶、黒ごま、5万円以上の場合、黒米カレーセット、大和牛などが贈呈されるということです。
これらの動きは、前述の5000円が実質寄附になることを補填する目的もあるようです。
? 使い道の選択
寄附金の使い道を選択できる自治体も増えてきています。
佐賀県は,使い道を図書館の児童書購入や高校生のスポーツ活動を支援するといった6つのメニューから選択することができるそうです。
島根県は、産業の振興、自然環境の保全、医療・福祉の充実など8つの事業から選択し、その内訳も指定できます。
「ふるさと納税」の意義
地域間の財政格差を是正することが意義とも考えられますが、実際にはどうでしょうか?地方税収入は約34.8兆円です。そのうち、個人住民税は約12.3兆円。総務省の試算によれば、そのうちの1割の最大1兆2000億円が「ふるさと納税」によって自治体間を動きます。しかし、この金額は地方税収の約4%程度です。
まして、そのすべてが「ふるさと納税」を実行することも考えられず、また、全国知事会の試算では 出生地以外の場所で暮らす住民全員が住民税の1割を「ふるさと納税」した場合でも総額は1671億円となるということです。
ですので、地域間の財政格差是正の効果はそれほどないと考えられます。
では、「ふるさと納税」の意義とはどういったものになるのでしょうか?
参考までにいくつかのコメントを紹介いたします。
ふるさと納税研究会 ふるさと納税報告書より
『本研究会としては、「ふるさと納税」の導入により、納税者の「ふるさと」に対する真摯な思いを制度的に表現することが可能となり、そのことが「ふるさと」に対する思いの高まりや自治意識の進化につながり、わが国の各地域に活力が生まれることを期待するものである』
東国原宮崎県知事より
『国民を巻き込んで、自らのルーツを考え、「ふるさと」の大切さの認識、地方あっての都市、都市あっての認識につながっていけばよい。』
このようにもっとも大きな意義は、「ふるさと」=地方を再認識し、大切さを考えることではないでしょうか?
地方は、人材、自然環境、食料の供給など、都会の繁栄を支えている大きな役割を果たしています。
「ふるさと納税」は地方に貢献したい、応援したいという人々の思いを実現することができ、関心や参加意識を持ってもらうきっかけとなることが考えられます。
また自治体ごとのPRも活発になることが予想されます。
ホームページ、チラシなど様々な媒体を利用して、こんなことをやっている、こんな特色があり、このような特産品があるといった情報提供を行うことにより、地方の良さを再認識する結果となるでしょう。
「ふるさと納税」は、地方自治体が活性化するためのものであり、地方の活性化は都市にも喜びや効果をもたらすことにつながるのでないでしょうか?
このようなことにつながっていくことも期待されます。
税金としての大きな意義もあります。それは寄附という形をとりながら、納税者が支払う対象、事業を選択できるということです。
税金というものは、義務として国や自治体に支払う形になっています。
これに対して、「ふるさと納税」は、自分の意思で対象を選択できるものです。
確定申告制度が普及していない日本は、税金を支払う意識が希薄だという指摘もあります。
納税者が税金の使い道に関心を持つ意識が高まれば、行政にも緊張感が出ますし、地方の活性化にもつながると思います。
この「ふるさと納税」によって、税金の意義を改めて考え直す機会の一端となればと思います。
なお、私自身は大阪府豊中市で生まれ,宮崎県宮崎市で3歳から高校卒業まで生活し,現在は東京都に住んでいます。
大阪,東京にも思いはありますが,宮崎県を応援したいという気持ちも大きかったので、宮崎県に「ふるさと納税」を行っていました。
その他の理由としては、ホームページでの電子申請が可能であったこと、クレジットカード払いができたこと、寄附金の使い道が選択できたことも挙げられます。使い道は、植栽未済地対策、子育て対策、医療対策の3つから選択できます。私は植栽未済地対策を選択しています。実家に帰ったときにやはり森林がないことにより土砂崩れが発生している場所を実際に目にしたこともあったからです。
このように支払い方法と寄附金の使途は、ふるさと納税制度を推進する上で大きな鍵となりそうです。
【ふるさと納税に関するメディア実績】
・テレビ朝日「スーパーJチャンネル」
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